1. はじめに
『エスター』は、2009年に公開されたジャウム・コレット=セラ監督による心理ホラー映画です。
この映画は、家族に潜む恐怖を描き出し、多くの視聴者に衝撃を与えました。
この映画の背後には、実話に基づいたエピソードがあり、その事実が映画の恐怖をさらに際立たせています。
この記事では、映画の最後に何が起こったのか、そしてそのモデルとなった実話について詳しく掘り下げていきますね。
- 1. はじめに
- 2. 実話こそ怖い「エスター」。映画の最後は?モデルの今はどうなった?
- 2-2. モデルの事件の詳細は?
- 2-3. 実話になったモデルや家族の現在は?
- 3. あらすじ
- 4. 監督・脚本・登場人物
- 5. 最後に
2. 実話こそ怖い「エスター」。映画の最後は?モデルの今はどうなった?
2-1. 映画の最後はどうなった?
エスターは、表向きは9歳の少女として登場しますが、実は彼女の正体はリーナ・クルーガーという33歳の女性でした。
彼女は成長を止める病気「成長ホルモン分泌不全性低身長症」を患っており、そのために子供のように見えるのです。
リーナは精神病院を脱走し、子供として新しい家族に入り込むことで、家族を崩壊させていきます。
映画の最後で、母親のケイトがエスターの本当の正体に気づき、家族を守るために壮絶な戦いを繰り広げます。
最後のシーンでは、エスターが家族を完全に破壊しようとするものの、ケイトによって池に落とされ、物語はそのまま幕を閉じます。
ケイトによって首が大きく曲がるほど蹴られ、湖に落ちていくシーンがエスターの最後でしたが、実際になくなった描写までは描かれていません。
一応続編の可能性も閉ざされていないと思いますが、続編ではなく、「エスター ファースト・キル」という前日譚が制作されています。
エスター役は同じイザベル・ファーマンです。
2-2. モデルの事件の詳細は?
映画『エスター』は、非常に衝撃的な実話をもとにしています。
この映画のモデルとなったのは、バルボラ・シュルロヴァという女性の事件です。
彼女は2007年から2008年にかけて、チェコとノルウェーで起きた一連の事件で知られるようになりました。
バルボラ・シュルロヴァは、成長ホルモンの異常により子供のように見える33歳の女性でした。
彼女はチェコ共和国で、精神的に不安定なクララ・マウロヴァという女性とその妹カテリーナと知り合い、彼女たちの家族に入り込んでいきます。
クララとカテリーナは宗教的なカルト「聖杯運動」に影響を受けており、バルボラはその信仰を利用して、クララの2人の息子に対する虐待行為を煽りました。
この虐待は非常に残忍なもので、息子たちは鉄の檻に閉じ込められ、皮膚を剥がされるなどの暴行を受けました。
やがて警察がこの家を突き止め、子供たちを救出しましたが、バルボラは「アニカ」という12歳の少女に成りすまして家から逃亡しました。
その後、彼女はノルウェーに逃げ、今度は「アダム」と名乗り、13歳の少年として新しい家庭に入り込みました。
しかし、最終的にその正体が暴かれ、彼女は逮捕されることになりました。
この事件は映画『エスター』の物語と驚くほど多くの共通点があり、映画が実際の事件から着想を得たことが伺えます。
2-3. 実話になったモデルや家族の現在は?
バルボラ・シュルロヴァの事件は、当時世界中で大きな注目を集めました。
彼女は最終的にノルウェーで逮捕され、チェコに送還されました。
裁判の結果、彼女は5年間の刑を宣告されましたが、その後の詳細な行方についてはあまり報じられていません。
彼女の事件は、精神疾患や宗教的カルトが絡む複雑な背景を持っており、その影響力を受けた家族も深刻な影響を受け続けています。
クララ・マウロヴァとカテリーナ・マウロヴァもまた裁判にかけられ、クララには10年間の刑が科されました。
この事件は彼女たちの人生を一変させ、多くの精神的トラウマを残しました。
映画『エスター』の公開後、アメリカでも似たような事件がニュースになりました。
インディアナ州の夫婦がウクライナ出身の「ナタリア・グレース」という少女を養子に迎えましたが、彼女は実は年齢を偽っていたのではないかという疑惑が浮上しました。
ナタリアは自己紹介の際、6歳と主張しましたが、夫婦は彼女が実際には成人女性である可能性を疑い始めました。
ナタリアの本当の年齢やバックグラウンドは現在も謎に包まれており、この事件もまた映画『エスター』との類似性が指摘されています。
なお、ナタリア・グレースの事件は映画公開後に公に知られており、実話モデルではありません。
3. あらすじ
映画『エスター』は、悲しみに暮れるコールマン夫妻が、孤児院から9歳の少女エスターを養子に迎えるところから始まります。
夫妻は、以前に失った子供の悲しみを埋めるためにエスターを迎え入れますが、彼女が来てからというもの、家族に不気味な出来事が次々と起こり始めます。
エスターは非常に知的で、優雅な振る舞いを見せますが、次第に彼女の言動に不気味なものが見え隠れします。
特に、養母であるケイトは、エスターに対する疑念を抱き始め、彼女の過去を探り出そうとします。
しかし、エスターは巧妙にその真実を隠し続け、家族に亀裂を生じさせていきます。
彼女が本当に誰なのか、そして彼女が何を企んでいるのか、物語は緊張感を高めながら進行していきます。
4. 監督・脚本・登場人物
- 監督: ジャウム・コレット=セラ
- 脚本: デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック
- 登場人物:
- エスター(イザベル・ファーマン)
- ケイト(ヴェラ・ファーミガ)
- ジョン(ピーター・サースガード)
- マックス(アリアーナ・エンジニア)
- ダニエル(ジミー・ベネット)
5. 最後に
映画『エスター』は、単なるフィクションのホラー映画ではなく、実話をベースにしている点が観る者にさらに深い恐怖を与えます。
バルボラ・シュルロヴァという実在の人物が引き起こした事件は、その残忍さと不気味さで多くの人々の記憶に残っています。
この映画は、現実の恐怖がいかにして人々の心に深く刻まれるのかを見事に描き出しています。
あなたもぜひ、この映画を観て、その恐怖を体感してみてくださいね。
【参考】
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Unveiling The True Story And Real-Life Crime Behind ‘Orphan’ - HOME
-
Is Orphan based on a true story? The case that inspired the horror film | Evening Standard
-
Is Orphan a true story – the shocking crime that inspired the horror
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