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グッドフェローズでトミーはなぜ◯されることに気付いたのか〜経緯から解説〜

グッドフェローズ (字幕版)

1. はじめに

『グッドフェローズ』は、マーティン・スコセッシ監督が手がけた1990年のギャング映画で、実話をもとにした物語が展開されます。

映画の中で特に印象的なのが、ジョー・ペシ演じるトミーの悲劇的な結末でしたね。

ジョー・ペシが一般的に知られているのはホーム・アローン初作の泥棒役だと思いますが、コメディからマフィアまで、演技の幅が広すぎて、めちゃくちゃ好きな俳優の1人です。

この記事では、トミーがなぜ殺されたのか、またその瞬間に彼が何を感じ取ったのかについて掘り下げていきます。

 

 

2. グッドフェローズでトミーはなぜ◯されることに気付いたのか〜経緯から解説〜

2-1. グッドフェローズでトミーはなぜ殺されたのか

トミー・デヴィートが『グッドフェローズ』で殺された理由は、トミーが「メイドマン(正式に認められたギャング)」であるビリー・バッツを殺害したことです。

バッツはガンビーノ・ファミリーに所属しており、彼を殺害することは重大なルール違反であり、厳重に処罰されるべきものでした​。

トミーはその無鉄砲で暴力的な性格から、周囲のギャング仲間からも不安視されていました。

彼の短気さや衝動的な行動は、最終的にトミー自身の命を危険にさらす結果となりました。

ガンビーノ・ファミリーは、トミーがビリー・バッツを殺したことを決して許さず、報復することにしたのです。

メイドマンに手を出すことは重罪であり、トミーのボスであるポールもそれを分かっていたので、報復を黙認せざるを得なかったようです。

 

 

2-2. トミーが犯人であることがなぜバレてしまったのか

トミーがバッツを殺害した事実がバレてしまった理由は簡単です。

まず、ビリー・バッツは「メイドマン」であり、彼の失踪や死亡はすぐにファミリーの関心を引きます。

翌日には母親が異変に気づき、情報収集が始まったので、証拠や証言が得られやすい状況でした。

 

また、トミーはほぼ無計画で犯行に及んでしまったので、証拠隠滅が後手後手でした。

特に、最後に会っていた人物らに、無鉄砲な正確のトミーがいると分かれば、おおよそ予測がつくでしょう。

メイドマンに手を出すと大変なことになる、ということを無視して行動できる人物となると、そう多くはありません。

バッツが所属していたガンビーノファミリーにとって、調査は容易だったでしょう。

 

さらに、バッツを埋めた場所で開発が始まることが分かるやいなや、腐臭の激しい遺体を別の場所に車を使って急いで移すということもしました。

車の持ち主である主人公のヘンリーが巻き込まれなかったことが偶然かは分かりませんが、もし報復対象になっていたら、この映画は生まれなかったでしょう。

 

2-3. トミーが殺される瞬間、なぜ気付いたのか

トミーが銃で打たれる瞬間、"Oh, no..."とつぶやきます。

そう、本当に直前に、すべてを悟ったのです。

 

彼は「メイドマン」になるという話を聞かされ、儀式の場に招かれますが、部屋が空っぽであることに気付きます。

この時点で、すこし笑みを浮かべて部屋を眺めます。

そして少し経ったほどで、トミーは全てが罠であることを直感的に理解したのです。

 

このシーンでは、トミーが背後から銃撃される前に短い一瞬の沈黙があります。

おそらくその一瞬の中で、トミーは自分の状況を理解し、長いマフィア人生を振り返ったことでしょう。

マフィアの世界においては当然の報いだったのかもしれませんが、儀式に向かう前に母親と誇らしげに会話するシーンもあったので、悲しさを感じさせるシーンでした。

 

 

3. あらすじ

『グッドフェローズ』は、1950年代から1980年代にかけてのニューヨークを舞台に、ヘンリー・ヒルという若者がギャングの世界に足を踏み入れ、栄光と堕落の道を歩む物語です。

ヘンリーはジミー・コンウェイやトミー・デヴィートと共に数々の犯罪を行い、その中でギャングとしての地位を築いていきます。

しかし、ある事件をきっかけに、彼らの生活は次第に崩壊していきます。

トミーはその暴力的な性格と衝動的な行動で注目されますが、やがて彼が犯したある致命的な過ちによって、悲劇的な運命を迎えることになります。

物語は、ギャングの裏社会の冷酷さと、欲望がもたらす破滅を描き出します。

 

 

4. 監督・脚本・登場人物

監督: マーティン・スコセッシ
脚本: ニコラス・ピレッジ、マーティン・スコセッシ
登場人物:

  • ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)
  • トミー・デヴィート(ジョー・ペシ)
  • ジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)
  • カレン・ヒル(ロレイン・ブラッコ)
  • ポーリー・シセロ(ポール・ソルヴィノ)
  • ビリー・バッツ(フランク・ヴィンセント)
  • モリ・ケッスラー(チャック・ロウ)

 

5. 最後に

 

 

『グッドフェローズ』のトミーの運命は、ギャングの世界そのものを現していましたね。(実際のものを知りませんが、それっぽい感・・・)

ギャングの世界は踏み入れてはいけないことを実感させる映画ですが、映画にはめちゃくちゃ引き込まれるので、人生で1回は見たほうがいい映画ですね。

アメリカでも名作100本として選ばれているのが納得の作品です。

 

以上ありがとうございました。

 

 

【参考】