映画雑感

見て楽しんで、知って楽しむ。

【映画】「ヒッチャー」

ロバート・ハーモン監督の「ヒッチャー」(原題: Hitcher)のご紹介です。
1986年製作の古い映画なのですが、狂気さはいつの時代も同じです。

【あらすじ】
幼さが残る青年ジム・ハルジーC・トーマス・ハウエル)は車の運搬を仕事として、客の車を自ら運転してサンディエゴまでハイウェイを走っていました。
午前4時を回り、大雨も降って外も暗く、窓も開けられない状況で眠気が彼を襲います。
危うく居眠り運転で事故を起こしそうになりながら、大雨の中でヒッチハイクをして道路脇でサインを出す男性を発見します。
深夜の運転で話し相手にもなるだろうと彼を乗せますが、これが最悪の災いをもたらすきっかけになってしまったのでした……

【見どころ】
冒頭の心の模様 あらすじにも書いた冒頭のシーンでは大雨が降っていますが、深夜誰もいない夜道を走る不安感を表現しているのだと感じました。
その不安感が最高潮になっている時には大雨・雷とかなり派手な天気模様になっています。
その後一難が去った時には天気も同時に晴れ模様と、心の様子と天気がマッチする表現が採用されていると考えました。
この冒頭付近のシーンはそういった表現が使われたシンプルな展開でもあり、グッと惹きつけられました。
しかしこの後はシンプルを超え、狂気が連続します。
何が起きているのか分からない 自らをジョン・ライダーと名乗る男(ルトガー・ハウアー)の理由もわからない粘着ぶりが狂気的です。
なぜそこにいるのか?と問わずにはいられない場所に現れ、次はどんな狂気が待ち受けているのかと緊張感を高めながら見てしまいます。
ルトガー・ハウアーの微妙な表情の変化による演技もそれを際立たせ、笑顔も恐ろしさを感じさせます。
また、ジムがカフェで休憩している時に、ポテトではない別の何かを気付かずに食べようとするシーンがあるのですが、ジムとほぼ同時に気付いて映画の中にいるように驚いてしまいました。

みなさんはどこが面白いと感じたでしょうか?

【終わりに】
男がなぜそんなことをしたのか、彼に恨みがあったのか、特に理由もないのか、分からないままなのか、実は知り合いなのか、それは終わりに明らかになります。
実際はこういった犯人の方が多いのかもしれません。
奇妙なようで現実的かもしれない、そのように感じました。

以上読んでいただきありがとうございました。

ヒッチャー(字幕版)

ヒッチャー(字幕版)

  • C・トーマス・ハウエル
Amazon