映画雑感

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【映画】「七人の侍」

黒澤明監督の「七人の侍」(1954年)のご紹介です。

【あらすじ】
米が実る時期に村を襲う野武士の計画を偶然百姓の村人が聞いてしまいます。村人らで話し合った結果、米で侍を雇って野武士と戦うことにしました。数人を町に向かわせ探し始めますが、そう簡単にはいきません。侍が百姓に雇われるのは侍にとっては恥なのです。稗で食いつなぎながら探し続け10日ほど経ってから、町で立て篭もりの強盗事件が起きます。その強盗事件解決を買って出た侍は突然髪を剃り始め…。

【雑感】
野武士と合戦をする条件に加えて侍が百姓に雇われるのは侍の恥というのが侍の常識。そんな中で雇い集めるのは大変ということは現代人にとって想像し難いので、時代背景を理解してなるほどなあと。

「侍は百姓から強奪する。強奪されるから意地汚くなる。意地汚くなるから侍から嫌悪される。嫌悪される百姓を侍は助けない。今度は野武士が百姓から強奪する。百姓は意地汚いから助けたくない。」というループで百姓はどう生きればよいのだと七人の侍の一人菊千代(三船敏郎)が残りの侍に激怒するシーン。百姓の行き場の苦しさが心に直接響いて苦しくなります。

その菊千代を演じる三船敏郎の演技力が凄すぎて俳優が演じているものということを忘れてしまいました。日本語ネイティブだからこそ三船敏郎の演技を直接感じ取れる。日本語ネイティブであることに感謝です。

演技力というと、騎乗する野武士らを百姓が竹槍で襲い、馬が逃げ惑い、野武士がどんどん落馬するというシーンがノンフィクションドキュメンタリーか?と思えるほどリアルに感じます。あんなに落馬して危険そうですが、一部トリックを使って落馬しているように見せているようです。当然ですが違和感は全くありません。

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【終わりに】
邦画にあまり興味が無く三船敏郎の演技を見たことなかったのですが、こりゃもったいない。見ておかなきゃ損ですね。

以上、黒澤明監督「七人の侍」のご紹介でした。