映画雑感

見て楽しんで、知って楽しむ。

【映画】「東京物語」

小津安二郎監督の「東京物語」のご紹介です。

【あらすじ】
尾道から東京へ、老夫婦(平山周吉と平山とみ)が子供たちの家に訪問します。

【雑感】
家族像の描写がリアル
親が息子娘らの家に訪問するわけですが、息子の医者幸一は東京を巡ろうと予定していた日に忙しくて当日中止。息子昌二(戦死)の妻紀子は忙しい仕事を休んでまで東京案内をしてくれる。娘の美容師志げは仕事の忙しさを言い訳に周吉ら両親を熱海旅行に送る。このような息子娘らの三者三様の対応がいろんな家族像の現実を表現しているように感じました。
個人的には志げの態度が終始腹立たしいですが、彼女も忙しくて何もしてあげられないから、温泉街で楽しんでもらおうということで良かれと思って両親を送り出すわけです。両親は別に美味しいものを食べたいわけでも温泉に入りたいわけでもなく、子供と一緒にいたいわけです。その親心が分からず良かれと思って熱海に送る子どもの対応、そういうことは私もしているかもしれない、そういう思いに駆られました。このエピソード含め、お金じゃないなあ、現実ってこういうものだよなあ、と感じさせられます。

【終わりに】
コロナで人と会う機会も昔より減りましたが、この映画を見て親と会いたくなりました。
寒い日に湯船に浸かるとジワ〜っと温かさが体に広がりますが、そんな感じで、この映画を見ていると人生の言葉にできない色んな感情がジワ〜っと広がります。
英国映画協会の監督が選ぶBEST 100の1位に選ばれてますが、この良さは日本人特有ではなく世界共通ということのようです。これはおススメです。