映画雑感

見て楽しんで、知って楽しむ。

【映画】「ヴォルケーノ・パーク」

サイモン・ウェスト (Simon West) 監督の「ヴォルケーノ・パーク」(英語名: Skyfire、中国語名: 天火) のご紹介です。

【あらすじ】
20年前に大噴火を起こし現在も活火山となっている島「天火島」に、実業家のジェイク(ジェイソン・アイザックス)が火山・マグマを間近に観れるテーマパーク「天火島リゾート」を建設します。
20年前の大噴火で生き残った父タオ(ワン・シュエチー)と娘シャオモン(ハンナ・クァンリバン)は地震学者として活躍しますが、シャオモンはテーマパークの技術者でもあり、タオはそれを理解できずにいます。
親子の溝が埋まらない日々を過ごすある日、タオとシャオモンはいつもと様子の違う天火島に気付きます。

【見どころ】
火山噴火の恐ろしさを体感できるのが一つの見どころです。
映画を通して改めて人間の弱さを感じることができます。(そんな島にパークを建設してしまう精神的な弱さも含め)
ただし、実際どうなるかを知らないものの、本当にこうなるのか?物理的におかしくないか?と若干の疑問を抱く方はいるかもしれません。
あまりに気になるのであれば没入できませんので自分に合わなかったと思って見ないという判断もありだと思います。(実際リアリティに関するレビューがちらほら見つかります。)

もう一つの見どころは火山の恐ろしさを物ともしない人助けです。
普通に考えたら逃げ出してしまいそうな状況でも、レスキュー隊でもない人が果敢に見知らぬ人のレスキューに挑みます。
ジェイクが地獄絵図のような場所から子供を助けるシーンがあるのですが、実はこのシーンは200テイク撮って実際もボロボロの状態で撮っており、地獄からなんとか救出する様子が心にグッと刺さります。

中国の方々はこういった映画をパニック映画、災害映画とは言わず、レスキュー映画とカテゴライズします。
それは、どのように世界が終わるのか、よりもそんな状況でどんな人助けをするか、という人の生き様にフォーカスする傾向があるからのようです。
確かにこの映画は人助けのシーンがとても多く登場します。
人助けの観点で見ると、前述したリアリティは些末なことで、他人への思いやりを感じられる素晴らしい映画と感じました。

監督も人助けへのこういった思いがあってか、最後のエンドロールで以下のような文章を残してこの映画を閉じています。
”What doesn't kill you makes you stronger. To all the warriors who fight fearlessly through Covid-19 pandemic and hard times for us, and everyone who has faith in love and hope.” (試練は人を強くします。新型コロナウィルスのパンデミックや困難に果敢に挑む戦士たち、そして、愛と希望を信じるすべての人に送ります。)

以上読んでいただきありがとうございました。