アルフレッド・ヒッチコック監督の「間違えられた男」(原題:The Wrong Man, 1956)のご紹介です。
あらすじ
マニー(ヘンリー・ファンダ)は突然逮捕されてしまう。
複数の被害者はこぞって「犯人に違いない」と口を揃えるばかり。
警察から犯人と決め付けられているような事情聴取を受け、疑いが晴れればと筆跡鑑定をする。
しかし、筆跡と特徴のある文字の綴りが偶然にも似てしまい、留置所に入れられる。
マニーを信じる家族・親族は協力して保釈金をかき集め、弁護士を紹介するが、アリバイ作りは難航し・・・
雑感(落ちのネタバレあり)
実話に基づく本作、なんだか人間の記憶力って本当にスカスカなんだなあ、とつくづく思いました。
最後に真犯人が見つかり、マニーは無事釈放されますが、真犯人と顔が似てないことこの上ない。
真犯人とマニーが明らかに似ていない配役としているのは、被害者や警察による適当な犯人探しに対する批判と思わせました。
留置所に入れられるシーンではめまいでクラクラしてきてこの世の終わりかのような心持ちになり、下をずっと見てしまうといった描写がありました。
ヒッチコックは幼少期に親から経験として留置所に入れられたことがあるのですが、その時の恐怖感が留置所に入れられたシーンによく表れているのだと思います。
最後は奥さんが鬱病を患って完治しないまま終わりますし、間違えた人たちから謝罪も特に無いので、なんだかなあという感じ。
現実は厳しいなあ・・・
こんな人におすすめします/しません
- ヒッチコック好きな人はおすすめします。
- 周防正行監督「それでもボクはやってない」やシドニー・ルメット監督「十二人の怒れる男」が好きな人はおすすめします。
- 胸糞悪い気分にはなるので、そういうのが嫌いな人はおすすめしません。